■殺竜事件-----上遠野浩平

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ファンタジーが舞台の推理物です。
殺す事が出来ないはずの竜が何故死んだのか、それを解き明かすため、竜に会った人間を探し旅に出ます。

ファンタジーなので、当然のことながら現実世界には無い、道具や動機で人々は動いています。
世界観から全て創作し謎解きをしていくと、こういう不思議な雰囲気になるんだなー、と思いました。
そもそもトリックの前提が現実ではないから(笑)
まず竜はいないな!

ファンタジーでの謎解きは、うっかりすると何でもアリになって破綻してしまいそうですが、これの世界の常識がしっかりと作られているので、現実感があります。
その世界の現実があるのとないのとでは大分違いますね。

この小説のなかに界面干渉学というのが出てきます。
全く異なる基準でもって作られた道具や書物を研究する分野なんですが、こっちの現実世界がかかわってます。
車とかハサミとかが出てくるんですが、ハサミには切れるようにする魔力を入れる箇所がない、とか、車は恐ろしく精密だが全く動かせない、とか。
常識が違うのでちょっと面白いです。
何でもかんでも魔力なのね(笑)