■のぼうの城-----和田竜

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エンターテイメント性の強い歴史小説。
舞台は戦国時代。秀吉の関東攻めの中の一城です。
多勢に無勢の戦をどう進めていくのか、わくわくしながら読めました。

後世の情報も文中に多々入ってきているので、小説というか、再現ドラマでも見ているような気になりました。
メタ情報が苦手な人はあまり好きな作品では無いかもです。
でも面白いですよ。

木偶の坊と呼ばれながらも、何だか得体の知れないのぼう様こと長親。
考えて行動してるのか、結果が勝手についてきてるのか。
その相方のような丹波はのぼう様とは逆に、激しい気性に常識的な判断力。
言ってみればでこぼこコンビ?
頭が良い、というかちょっと小賢しいような酒巻(ユキエの字が出なかったので家名で…)とか、血気盛んな和泉。
登場人物がそれぞれの考えで動いているのがどうやってまとまってくるのか、あんまり先が読めないです。

歴史の事なので結果は決まってるんですが、何だか、知ってる事実と違う結果になるんじゃないか、とか思ってしまったりもしました。
その位守備側であるのぼう様方に肩入れ(笑)
三成も嫌いじゃないよ…。でも忍城方の方が好きなんだ…(笑)

この作者さんの他の作品も読んだ事あるんですが、そっちはちょっと主人公とかが無双過ぎて苦手でしたが、のぼうの城は納得できる強さで程良い匙加減でした。
無双が嫌いじゃなかったら、忍びの国や小太郎の左腕も面白いと思います。